63.【れいこさん編】マッチングアプリの悲劇②


ある日れいこさんから電話がかかってきました。

その声は今までにないくらい弾んでいて、「何かあったな?」と聞く前からわかるくらいでした。

 

「何かあったの?」

「彼氏ができそう!」

 

婚活の沼にハマりかけていた私にとっては嫉妬心を掻き立てられる出来事でした。

でも、友人の慶事に素直に「嬉しい」という気持ちももちろんありました。

 

「おめでとう! マッチングアプリの人?」

「うん。今度会いに行って告白される予定なんだ!」

 

そこで「ん?」と思いました。

「告白される予定」って何だ?

「会った時に告白するよ」とでも言われたのでしょうか。

でもそれって何か違うと思います。

 

「詳しく」

「○○県(れいこさんの住んでいるところから新幹線で2時間)の大学院生の人でね。10㎏痩せたら付き合おうって約束してくれてたんだ。それで、10㎏痩せたから今週末初めて会うことになったの」

 

何か色々とおかしいと思います。

さらに話を聞くと、もっとおかしいところはたくさんありました。

れいこさんが深夜バスで一晩かけて相手の住んでいるところまで会いに行くのに交通費は全額れいこさん持ち。

だからといってホテル代を払ってくれるわけでもない。

というか割り勘で同じ部屋に泊まるそうです。

一体どうなっているんだとしか言いようがありません。

 

「付き合う予定かもしれないけど、付き合ってない人と同室っておかしいでしょ」

「ふふふふふ」

 

学生時代、れいこさんはこんなことをするような子ではありませんでした。

もう少しちゃんとした貞操観念を持っていたと思います。

 

もちろん私は会いに行くのを止めました。

だって絶対おかしいです。

無料の夜のお姉ちゃんくらいにしか見られていないと思います。

それに何より同じデブとして「10㎏痩せたら付き合おう」ということがどうしても許せることではありませんでした。

確かにデブは嫌がられます。

でも、だったら最初からデブじゃない人とマッチングすればいいんです。

「ブタは嫌いだから痩せろよ? そうしたらヤってやるわ。交通費はもちろんお前持ちな? ホテル代は仕方ないから半分くらい払ってやるよ」

本当にバカにし過ぎだと思います。

 

でもれいこさんはそんなことに全く気付いていません。

初めて味わう「恋愛」というものに、脳細胞が溶かされてしまっているようでした。

でもこれは「恋愛」なんかじゃなくて「セフレ」にされそうなだけだと思います。

 

私の説得も空しく、れいこさんはその男に会いに行ってしまいました。

バスが着く時間を伝えていたのになぜかれいこさんがバスターミナルで待たされたそうです。

「ランチ奢ってもらっちゃった」とすごく幸せそうに言っていました。

初めてのデートで、というかわざわざ遠くまで来てもらったのなら男が出すのが当然だろ。

そして、昼からホテルにこもり。

帰りのバスはお昼なのに、朝にはその男は自分の下宿するアパートへ帰って行ったそうです。

理由は「研究があるから」

あまりにも酷い扱いに私は泣きそうでした。

 

そしてその三日後。

れいこさんから「別れた」と報告がありました。

理由は「向こうが子ども過ぎた」そうです。

絶対に違うと思います。

それかられいこさんは段々おかしな方向へ転がっていくのでした。

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れいこさんの悲しいお話一覧はこちら
62.【れいこさん編】マッチングアプリの悲劇①
63.【れいこさん編】マッチングアプリの悲劇②
64.【れいこさん編】マッチングアプリの悲劇③
65.【れいこさん編】マッチングアプリの悲劇④
66.【れいこさん編】マッチングアプリの悲劇⑤