113.紹介で出会ったオタTさん②

到着したファミレスで待っていたのは、めっちゃ笑顔の保険屋のおばちゃんと、無表情のアニメTシャツの男性。

ちょっと異様な雰囲気でした。

「オタTさんの方は乗り気じゃないんじゃない?」と少し不安になってしまいます。

良い年だからとおばちゃんに押し切られてしまって来ただけではないのでしょうか。

 

「今日はお時間作った頂いてありがとうございます」

「全然構わないよ! オタくんも楽しみにしてたもね!」

頷くオタTさん。

「お前喋らないのかよ」とつい心の中で突っ込んでしまいました。

最初から不安が募るスタートです。

「この子がオタTくんね。ゴルフ場で毎日一生懸命働いているんだよ」

頷くオタTさん。

「それでこの子が婚活ブタちゃん。最近婚活始めたらしくて、オタくんにどうかなって」

「はじめまして、婚活ブタです。今日はよろしくお願いします」

「――よろしく」

初めて喋りました。

くごもった声で、ちょっともったりした感じの喋り方でした。

 

座って座って、というおばちゃんの号令で私は席に座ります。

四人掛けのテーブル席におばちゃんとオタTさん、向かいに私という並びでした。

「ブタちゃんも食べ物決めなよ! 私はドリアとコーヒーにする。ここドリアが美味しいんだよね」

「じゃあ私もドリアにします」

「オタくんは?」

「ミートスパゲッティのハンバーグセットにしようかな」

「すみません!」

そしておばちゃんが店員さんを呼んで、全員分の注文を済ませてくれました。

 

その後も喋るのはほとんどおばちゃんです。

「毎日5時に起きて仕事行くんだよね?」

頷くオタTさん。

「ゴルフ場って朝早いんですね。そんなに早く起きないといけなかったら、夜もほとんど遊べませんね。早く寝ないと」

頷くオタTさん。

「芝刈りとかしないといけないんだって。夜は夜でボール拾いがある日は遅くなるらしいよ」

「ボール拾いとかあるんですか?」

「いっぱい溜まるんだよね」

頷くオタTさん。

「ゴルフ場のお仕事って大変なんですねぇ」

「ブタちゃんもキャディーさんとかやれば?」

「ゴルフの事全然わからないから無理ですよ」

オタTさん、ほとんど喋りません。

おばちゃんと2人で食事に来ている気分です。

オタTさんは立膝で黙々とスパゲッティーを食べています。

 

その日、オタTさんのことは何となくわかりましたが、ほとんどオタTさんとは会話することはありませんでした。

おばちゃんのプッシュで連絡先は交換したのですが、オタTさんのこの感じだと進展は何もないでしょう。

最初から期待はしていなかったですが、やはり上手くいかないと残念です。

ちなみにその日のお会計を持ってくれたのはなぜかおばちゃんでした。

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112.紹介で出会ったオタTさん①
113.紹介で出会ったオタTさん②
114.紹介で出会ったオタTさん③
115.紹介で出会ったオタTさん④
116.紹介で出会ったオタTさん⑤