177.お薬さん④
お薬さんとの初回デートが終わって。
「彼との婚活を続けるかどうか」を全く考えませんでした。
初デートがあまりにも面接過ぎて、「私に選ぶ権利はない」と何となく無意識に思ってしまっていました。
今思い返してみれば、とても怖い話です。
誰かに相談していたら「それっておかしくない?」とアドバイスがもらえて、気付くことができたでしょう。
やはり人間追い詰められると視野が狭くなります。
「どうなるんだろうなぁ」と思いながら待っていると、お薬さんからメールが来ました。
とても長文だったのですが、色々と要約するとこんな感じでした。
・病気のこともあるので専業、またはパート主婦で構わない。
ただ、家事スキルをもっと上げて欲しい。
・無職の弟をどうするかもっと家族でちゃんと話して欲しい
ただ、生活保護が身内から出るのは望ましくない。
・結婚するなら結婚式も挙げることになるので、エステかジムで体をもう少し絞ってほしい。
・ダメだった場合早く次を探さなければいけないので、ブライダルチェックは交際して半年くらいが目安で大丈夫か。
などなど。
わかりやすくていいです。
お薬さんが何を求めているのか簡潔にわかってとてもいいです。
メールに書いてあることをクリアしていけばお薬さんは私と結婚してくれるんだろうな、と思いました。
でも、「無理だ」と思いました。
「優秀なATMだ」と割り切れば、お薬さんとの結婚は心地好いものになるでしょう。
専業主婦でも構わないし、子どもも持てる。
きっと家事と子育てさえ完璧にやっていれば文句も言わないと思います。
でもお薬さんは「完璧」を求めるでしょう。
家事もちょっと失敗したら責められるだろうし、子育ても子どもがグレようものなら全て私のせいにされるでしょう。
家族で出掛けるなんてこともないかもしれませんし、私みたいに「父親との思い出が一切ない」ような子どもになってしまうかもしれません。
そしてそんな生活を送ったとして、子どもが巣立った後には私に何が残るのでしょうか。
きっと何も残らないし、下手をしたら子どもに執着するような母親になってしまうでしょう。
子どもは喉から手が出るほど欲しいです。
でも、子どもの負担になるような母親になんて絶対なりたくありません。
お薬さんとは「利害が一致している」といえば一致しています。
別に「私を愛してくれる人がいい」とまでは言いません。
でもやはり、お薬さんとは結婚しても上手くやっていけるビジョンが全く持てません。
きっとお薬さんが「私」という存在を全く見てくれていないからでしょう。
そんな結婚生活をするのなら、年収700万では割に合いません。
私はお薬さんにお断りのメールを送りました。
それに対するお薬さんのメールはあっさりしたものでした。
「お互い良い相手を見付けましょう」と社交辞令で締め括り、お薬さんとのやり取りは終わりました。
にほんブログ村
ブログランキングに参加しています。
応援していただけると嬉しいです。